更新日:2023年11月22日
こんにちは薬剤師の齊藤です。
今年は感染症の分類も変更があり、インフルエンザも流行りそうな感じがしております。11月になり、インフルエンザの患者さんも急増しておりますため、症状の特徴など押さえておきましょう。
今回のテーマは、意外とわかりそうでわからない冬に流行るウイルスの症状の違いについてです。
コロナウイルスとインフルエンザウイルスの症状の違いは?
ワクチンを打っている回数などによって症状の程度は違いますが、違いは以下の表のようになっています。
コロナウイルス | インフルエンザウイルス | |
主な症状 | 微熱~高熱・咳・食欲不振や味覚/嗅覚の異常、関節痛や筋肉痛、倦怠感など | 38℃以上の発熱があり、咳、鼻水、倦怠感、寒気、筋肉痛、関節痛など |
発熱 | 37.5℃以上の発熱。5日程度続くことが多い。 | 38℃以上の発熱が急に起こる。 |
症状の現れ方 | 緩やかに症状が現れる。 | 急に症状が現れる。 |
感染経路 | 接触感染または飛沫感染。 | 接触感染または飛沫感染。 |
潜伏期間 | 平均5〜6日 | 1〜2日 |
症状の経過 | 発症してから症状消失までの期間は長い | 急激に発症し、5日程度で症状もなくなる。 |
無症状の感染 |
5〜60%程度 |
10%程度 |
ウイルスの排出期間 | 10日程度 | 5〜6日程度 |
ウイルス排出量のピーク | 発症の日 | 発病後2〜3日後 |
重症度 | 重症になりうる | 多くは軽症〜中等症 |
致死率 | 3〜4% | 0.1% |
治療薬 | 軽症例について使用できる薬剤はない。 | タミフル、イナビル、リレンザなど多数ある。 |
重度呼吸不全症などの合併症 | しばしばみられる。 | 少ない。 |
※「一般社団法人日本感染症学会提言 今冬のインフルエンザとCOVID-19に備えて」を参考にして作成
微妙な違いはありますが、なかなかこれを素人の感覚で見分けるのは難しいと思います。
ただし、インフルエンザは症状が出てから、2〜3日後に感染力がピークに達し、無症状時には感染力がないのに対して、コロナウイルスは発症した時に感染力がピークであり、無症状時にも感染力が高めである点は、公衆衛生の観点から非常にポイントとなります。
やはり、コロナウイルスは周囲に感染を拡大させないために注意が必要ですね。
ノロウイルスの特徴
ノロウイルスは牡蠣などの二枚貝などが原因になることは、みなさまもご存知の通りです。感染性胃腸炎の原因になり、感染力が強く、ごく微量のウイルスで感染のリスクになります。
ノロウイルスの症状は、吐き気・嘔吐・下痢・腹痛が主な症状で、微熱・関節痛・全身倦怠感を伴います。
インフルエンザやコロナウイルスと違い、吐き気や下痢などの症状が強く、食品や嘔吐物が主な原因のため、こちらは心当たりがあれば、見分けやすいのではないかと思います。
ウイルス感染の予防方法
「withコロナ」がもう十分過ぎるほどに馴染んでしまいそろそろ基本的なことがうやむやになっていませんか?もう一度見直してみましょう。
感染予防のポイント
①手洗い・うがい
石鹸で洗い、爪の中から腕までしっかりと洗いましょう。
②マスクの着用
鼻の上までしっかりとつけることが大切です。
口マスクになってませんか?
よく言われているこの基礎的なことが何より大切です。面倒がらず実施しましょう。
※ワクチンは賛否両論あるため、現時点では絶対的に必要とは考えておりません。ご自身の考えと体の状態・生活様式に照らしご判断いただきたいと思っております。ノロウイルスに関しては、生牡蠣はできるだけ避けて、加熱してから食べるようにしてください。
感染した人はわかると思いますが、トイレとお友達になるくらい大変なので、それなりの覚悟を持って食してください。また、嘔吐物も感染の原因となりますので、嘔吐の処理はちゃんとハイターを薄めたもので消毒をしてください。
まとめ
コロナに対してだいぶ予防の意識は薄れてきているようにも感じておりますが、特に日本は冬は受験、昇格試験などと重要な時期でもあります。身近な人の人生や生活を守るためにも特にこの時期はしっかりと予防策を見直しましょう。ノロウイルスは見分けやすいですが、コロナとインフルの症状はなかなか見分けがつきませんね。この時期のセルフチェックには、コロナとインフルエンザ両方とも実施することでその後の対応がとりやすくなります。